- オフセット印刷機向けゴミ取りローラー導入をご検討中の方
- オフセット印刷において、版の紙粉にお困りの方
- ゴミ取りローラーのメリットとデメリットを確認されたい方
オフセット印刷機用 ゴミ取りローラー | 紙粉&ヒッキー対策
オフセット印刷の分野において、紙粉などのゴミが版面に付着するトラブルでお困りのお客様がいらっしゃいます。
昨今、コストカットの目的もあり、品質があまり良くない輸入紙などを導入せざるを得ない印刷会社様におかれましても、ゴミ対策が何かできないか?とご相談を受けることがございます。
そもそも、用紙自体を見直すこと、機械やローラーなどの日々のメンテナンスをしっかりと行い、水を絞るなどの調整を徹底することが1番の解決策とも言えます。
本記事では、上記の前提はさて置き、ローラー屋として、ローラーを使った解決策の一例をご紹介致します。
それは、タイトルの「オフセット印刷用ゴミ取りローラー」を導入する方法です。
概要
構造
「オフセット印刷用ゴミ取りローラー」は上の写真の通り、鉄芯にNBRゴムを巻き、さらにその上に毛羽立ちのある、ゴミ取り層を巻いた2重巻きローラーです。
表面のゴミ取り層の毛羽によって、版面に付着した紙粉やゴミなどを搔き取ります。
印刷機装着箇所
オフセット印刷機では、機械メーカーによって異なりますが、通常1ユニットに4本程度のインキング着けローラーが搭載されております。
一般的に、インク着けロールのうち、1番、水ロールに近い、着けローラー1本をゴミ取りロールに変更して使用します。
ゴミ取り効果
基本的に、ゴミ取りロールを導入すれば、紙粉やゴミ問題が全てクリアになるわけではありません。
しかし、一定の効果があったこと・紙粉によるクレームなどが減ったことは、過去に「ゴミ取りローラー」を導入いただいた当社ユーザー様に実感いただいております。
大事な注意点
気を付けなければいけない点は、ゴミ取りロールはローラー表面に毛羽立ちがあるため、版面を傷つける恐れがあるということです。
各ゴミ取りローラーメーカーによって異なりますが、ローラー取付時のニップ調整などは、ローラーメーカー推奨設定がございますので、導入に際しては必ずご案内させていただきます。
メンテナンス
メンテナンスフリー品がある
当社でご提案させていただいている「ゴミ取りローラー」は基本的にメンテナンスフリーです。
「ゴミ取りローラー」の表面上のゴミを、拭き取ったりする必要はなく、機械に付けたままでOK。
自動洗浄など他のインキローラーと同じような管理をしていただければ結構です。
ただし、1年程度で巻替えをしていただいた方が良いです。
なぜならば、毛羽層に紙粉などのゴミが堆積していき、やがて「ゴミ着けローラー」と化してしまうからです。
メンテナンスが必要だが、長く使えるタイプも取り扱いあり
逆に、紙粉などのゴミが毛羽層に溜まってきたら、サンドペーパーで表面を磨き、メンテナンスができるタイプの「ゴミ着けローラー」も扱っております。
このタイプの製品ですと、1年以上長期間使用することができます。
しかし、定期的なサンドペーパーでのメンテナンスが必須のため、根気と労力が必要です。
適しているのは、メンテの作業時間が確保でき、少しでも長期使用してローラーのランニングコストを削減したいという企業様向けではないでしょうか。
ブラシタイプのローラーを搭載したゴミ取りローラー洗浄用装置があり、こちらを使ってメンテナンスを承ることも可能です。
ただし、該当のゴミ取りローラーをお客様の印刷機から外して、当社に受け渡し、洗浄後に返却という流れのため、しばらくローラーをお預かり致します。
また費用が発生致しますので、メンテナンスは費用がかかっても外注先でお願いするという方針の企業様には、おすすめの方法です。
UV印刷機仕様もご提供可能
油性・UV兼用ゴムを下巻きする
毛羽層の下に巻くNBRのゴムをUV兼用ゴムに変更することで、オフセットUV印刷機にも対応可能です。
兼用ゴムで発注すれば、もちろん油性機にも使えます。
当社のユーザー様で、とあるオフセット印刷機の同じ機種を2台お持ちで、1台は油性機・もう1台はUV機というお客様がいらっしゃいます。
上記の現場では、油性・UV兼用ゴムの「ゴミ取りローラー」を導入して、UV機・油性機のどちらの機械にも1種類の仕様で、ご利用いただいている実績がございます。
UV樹脂材質を下巻きしたい
日本国内のオフセットUV印刷機のインキングローラーは、一般的に「UV樹脂材質」が使われています。
UV用の「ゴミ取りローラー」においても「UV樹脂材質」を下巻きすれば?と思われるかもしません。
しかし現状では、「UV樹脂材質」の上に「ゴミ取り層」を巻くことができる・あるいは対応してくれるメーカーはありません。
鉄芯が揺動タイプの場合は?
お客様の印刷機種によっては、該当のインク着けローラーが、ゴースト対策ロールとして鉄芯が揺動するタイプの場合がございます。
この横振りするタイプの鉄芯を使って「ゴミ取りロール」を製作することも可能です。
注意点は、揺動しながら毛羽層が版に接触するため、より版を傷つける可能性が高まることです。
メーカーの一部では、揺動鉄芯で「ゴミ取りロール」を製造する際は、毛羽を通常より短くカットして、版面へのダメージを軽減するような対策を行っています。
「テクノロール」社が提供する、ゴミ取りローラー「ヒッキースイーパ」は、ゴミ取りだけではなく、ゴーストのトラブル解消にも効果発揮してくれる製品です。
機械メーカーの従来の揺動芯とは違う、独自の動きをする鉄芯で、その鉄芯に下ゴム巻き+ゴミ取り層巻きを行います。
特殊な揺動芯を用意しないといけないため、初期コストはかさみますが、導入後は鉄芯を活かして巻替えが可能なので2回目以降はコストカット可能。
紙粉などのゴミ問題と、ゴーストトラブルの両方を同時に抱えてらっしゃるお客様には、ご検討いただく価値のある、おすすめの製品です。
歴史
数十年前、まだ前述のような二重巻きの「ゴミ取りローラー」が開発される前には、「ゴミ取りローラー」として「革ローラー」が使われていました。
裏革ローラーの表面も毛羽立ちがあります。
現在でも、この裏革ローラーの毛羽が、リトグラフの制作工程において、インキカスや紙粉などのゴミを取り除く効果を発揮します。
オフセット印刷機の着けローラーは面長が1m以上の物が多いです。
1m以上の大きなローラーに革を被せて、縫い目がでないように加工する・・・。
手前味噌になってしまいますが、すごい技術です。。。
ただ、もちろん現在では印刷機ゴミ取りロール用途での案件は皆無です。
印刷機の「ゴミ取りローラー」として革ローラーが使われた時代は、それだけ「革ローラー」の需要も多くございました。
今となっては想像しがたいですが、この話しは、当社が「革ローラー」メーカーとして歩んできた軌跡です。
ゴミ取りロール以外の材質について
当社ではゴミ取りロール以外にも、下のような材質をローラー製品として製造・提供することが可能です。
製造可能なローラー材質
当社では、主に下の表中の材質についてローラーを製造することが可能です。
表中にない材質でも製造・提供可能な物もありますので、気軽にお問合せ下さいませ。
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